更新時、大家さんが更新料不要、家賃値下げを了承してくれたのに、
と知り合いから紹介された女性からの相談。
実は大家さん、認知症で、
こうした交渉ごとはいつもは息子さんがサポートしているものの、
彼女からの依頼を受けて不動産会社が連絡を入れたときには
たまたま息子さんが不在。
そこで不動産会社の担当者は大家さんに直接話をし、
それでOKをもらったと彼女に連絡してよこしたのだそうです。
ところが、その後、息子さんからそれは困ると不動産会社に連絡があり、
不動産から彼女に連絡があり……という話でした。
聞いてみると、息子さんは不動産会社に父親の状態は伝えてあった、
しかし、不動産会社社内でその情報が共有されていなかったため、
事情を知らない人間が大家さんに話したことでOKと考えたのだとか。
彼女としては一度不動産会社がOKしたのだから、
更新料は払いたくない、家賃は下げてほしいというのですが、
大家さんの状態を考えると、家賃交渉その他の能力があるとは思えません。
難しい言葉で言うと、制限行為能力者と言うやつで、
その人相手の取引が取り消されても仕方ない状態です。
そこで、その大家さんの了承を根拠に大家さんから家賃値下げなどを
もぎとるのはできない相談。
それに事情を考えると責任を追うべきは不動産会社じゃないかと思うのです。
であれば、大家さんの責任を追及するよりは
不動産会社の責任を追及するほうが得るものがあります。
そこで、私は彼女に大家さんサイドも不動産会社の間抜けぶりに
迷惑を被っているはずだから、
大家さんとは喧嘩をせず、
というより、逆に大家さんとは仲良く戦線を組み、
不動産会社を相手に何かを引き出すべきではないかとアドバイスをしました。
例えば、契約で更新にあたって事務手数料があるとしたら、
それをナシにしてもらうなどがいいんじゃないかしら?と。
いろんな相談事を受けていると、
大事なのはあらかじめ、こうした落としどころというヤツを考えてから、
交渉に臨むということではないかと思います。
原状回復が可能なトラブルなら良いのですが、
実際には元には戻せないこともしばしば。
であれば、原状回復の代わりとしてどのような補償、賠償を求めるのか、
そのあたりを考えておかないと、
実現できない原状回復のみを言い募っても交渉にはならない、
そんな気がします。
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